「分かる」と「できる」は大違い

 

学習塾の広告やホームページに、

「分かるまで教えます」とありますが、
「できるまで教えます」というのはありません。

そうです。「分かる」と「できる」は大違いなのです。

・私は英語が分かります。
・私は英語ができます。

この2つのニュアンス分かりますか。

・私は英語が分かります。だと、英語が聞いて分かる。読んで分かる。イメージです。

それに対して、

・私は英語ができます。だと、英語が話せる。というイメージです。

英語で言うと、

I see. (分かった)
I understand. (理解した)と、

I learn.   (習得した。覚えた)

との違いでしょうか。

・私は将棋が分かります。
・私は将棋ができます。

だとどうでしょう。

・私は将棋が分かります。だと、将棋のルールを知っている。ある程度定跡を知っている。イメージです。

それに対して、

・私は将棋ができます。だと、将棋が相当強いイメージです。

このように、「分かる」と「できる」は大違いなのです。

学習塾では、「分かるまで」教えるが、「できるまで」は面倒見られないのが実情です。

学校の勉強が「分かる」とは、例えば数学だと、例題の解法が理解できるという事で、

「できる」とは、例題に関連する色々な問題を自分で解ける。という事です。


学習塾では時間の制約から、例題の説明と、塾生の理解の手助けまでを行いますが、

関連する色々な問題を塾生が自分で解けるまでの面倒は時間的に不可能です。

塾によっては、宿題になる場合もあります。


数学の例題が分かるレベルと、関連する色々な問題が自分で解ける(できる)レベルの差は大きく、

できるレベルになるためには、ある程度演習をこなすことが求められます。

ここを疎かにする人は、結局「分かったつもり」で2、3日もすればすぐに忘れます。

ところができるレベルになった人は多少の事では忘れません。

小学生の時覚えた自転車の乗り方が、何十年経っても体に覚えこまされているのと同じです。

学習塾で教えられるのは「分かるまで」です。

その後、「できるようになる」のは本人の努力と家庭学習なのです。

塾に通っても、それ以外家庭学習をしないようでは、決してできるようにはなりません。